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何かの残骸

メモです。

食堂かたつむり (ポプラ文庫)

食堂かたつむり (ポプラ文庫)

主人公がふわふわしすぎていて、共感できないのが残念だった。
でも、終盤の命が循環していくあたりのくだりとか、おかんと主人公の関係の描き方は好きだな。
リアルとおとぎ話が本の中で混ざり合えずに分離したままな違和感があった。短編のチョコレートムーンはそのあたりがうまく混ざっている感じで良かった。
茨姫はたたかう (祥伝社文庫)

茨姫はたたかう (祥伝社文庫)

本ってビジュアルも大切ですよねという合田シリーズの2作目。1作目がどうもおじさん向けぽい印象だったけど、カバーが女性向けになったせいかおっさん向けな印象はなくなった。出版社も色々間違えた事に気づいて方向転換したんだろうか。
いい子ちゃんで生きてきた茨姫が、王子様のキスではなく自力で目覚めて歩き始めるお話。しかしこのシリーズは、題材が題材なだけに、俺たちの戦いはこれからだ!で終わるのもいいと思う。そんな簡単に何もかも片付いてハッピーエンドってわけにはいかないしさ。
シェルター

シェルター

合田シリーズの3作目で今のところ最新作。
恵視点で、何故恵と歩の2人が心の病を抱えることになってしまったのかが描かれている。これを読んでからカナリアを読むと、また違った読み方ができるかも。
現在の視点で出てくる女優の女の子は正直どうでもいい存在で、そこがちょっと残念だった。
次は視点のお話がくるのかな。きて欲しい。
凍える島

凍える島

近藤さんのデビュー作。文体が今と全然違って苦手な感じ・・・
ミステリーとしては、間違った解への誘導の仕方がうまくて、ちゃんと引っかかれて面白かった。こいつが犯人じゃね?・・・じゃなくてそっちかよ!という感覚が味わえる系。
でもあんまり好きくない。
そういや近藤さんの本に対して好き嫌いの差が大きくなってしまうのは、この人の男女間の愛情のとらえ方が好きじゃないからだと思った。別に自分の経験にない話でも理解したり共感できるのもあるんだけど、近藤さんのにはそれができない。
反面、男女の愛情が主じゃない物語は好きなのが多い。普通の男女の愛情じゃなければ、それが身近なものでなくても思い入れを持って読めたりするし。実際は男女間の愛情も同性間の愛情もそれほど大差ないとは思うんだけど・・・。
あー、愛情というより近藤さんの描く女性が好きじゃないのかも。同属嫌悪な感じなのかなこれって・・・
ふたつめの月

ふたつめの月

「賢者はベンチで思索する」の続編。前作と同じく、主人公の周りで起こる日常的なミステリー短編集。
1つの物事に対して人それぞれに視点があるけど、何が自分にとって正しいのかそれを判断して選び取るのも自分自身、という。
現実の厳しさと甘さがいいバランスで同居していて好きだ。
おれは非情勤 (集英社文庫)

おれは非情勤 (集英社文庫)

小学生向けに書かれた話をまとめた短編集。非情勤と言いつつ、こういう教師がいたらいいなと思う。子供の不条理さとかマイルールっぷりも、あ〜、あるある、な感じ。