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何かの残骸

メモです。

その土曜日、7時58分/ダウト−あるカトリック学校で−@早稲田松竹

先週観に行って下書きに置きっぱだった。

その土曜日、7時58分

冒頭からいきなりせっくるだったのでちょっとびっくりしたが、人間の本質を描く映画なのだとしたらズバリなんだろね。
それぞれの事情でお金が必要な兄弟が、親の経営する宝石店を強盗する計画を立て、強盗しても保険降りるし困るのは保険屋だけ!誰も傷つかない!ひゃっほーぅ!という手筈だったのだけど、1つ歯車が狂うと後はもうどうにでもなぁ〜れ状態で待っているのは最悪の結末。
その日に限って母親がお店に入っていたり、ヘタレな弟が仲間に引き込んだ相手が計画外の本物の銃を持ってきていたり、どんだけフラグ立てれば気が済むんだよ・・・で、その見事な折れっぷりったらもう。この後もフラグが立っては折れ立っては折れ、最後にでかいのがどーんと。
コロンボしかりの犯罪者が犯行に及ぶ経緯や心理も描く作品って、観てるとつい犯人を応援しちゃうのだけど、心理的にリアルに描かれているからなんだろなあ。こんな犯行に及ぶきっかけが、身近で自分も知っている事だったりするし。
犯行に及ぶ直接の原因はお金なんだけど、少しずつ描かれていく親子、兄弟、夫婦の人間関係に、あ〜・・・ってなる。
展開には納得するけど、後味はかなり重い。嫌いじゃないけど。
でも、あ〜・・・ってなる・・・

ダウト−あるカトリック学校で−

どう見てもホフマンさんヤってるだろ・・・という偏見を持って観始めたが、話が進むにつれ何が正しいのか分からなくなってくる。
舞台はカトリック学校。ある日の神父の怪しい行動から、こいつ男子生徒に手を出してるんじゃねーの疑惑が生まれ(実際どうなのかは最後まで明らかにされない)、神から遠ざかってしまうような手段を取っても生徒を守ろうと神父に戦いを挑むシスター。
でも男子生徒は黒人の子で、神父だけが彼を気にかけて支えている。この辺りは向こうの人種問題が絡んでるので、なかなか実感が持てないのだけど。
生徒の母親もそういった人種問題などの背景から、もし疑惑が真実だったとしても卒業まであと少しの辛抱だ、大事にしないでくれと言う。
それぞれが自分の信念や事情から正しいと思う行動、ベターな行動をとっている。みんな正しくてみんな違ってる。
正しいと思った事を貫く弱さと強さ、人を疑う事の愚かさと悲しさを責任、そういった事をしみじみ考えてしまう映画だった。
普段から他人を疑いまくって生きている身としては、すみませんとしか('A`)